本間鉄工所(愛知県岡崎市小美町字神田182の1、本間幹哉社長0564・47・2315)は金型部品加工をはじめ、ガンドリルマシンを用いた深穴加工などを手がける。1,2個の小口注文や急な発注にも柔軟に対応。特に注目されるのが深穴加工である。シャフトなど長尺棒材への小径穴開け加工の精度を高め、効率の良い加工を実現する。
大型から小型までガンドリル深穴加工機を9台保有している。そのうち1台は、全国でも数少ない超大型機・MHGー2000JUMBO(ミロク機械)を改良した、より深い深穴加工に対応できるオリジナル品。能力が異なる9台のガンドリル深穴加工機を駆使することで、最大重量30トンのワークに直径1.4ミリ-36ミリメートル、深さ2800ミリメートル(反転することで4000ミリメートル。径によっては2800ミリメートルトマリ加工。反転で5600ミリメートル)まで深穴加工できる。吊り上げ能力3ー15トンの計3機のクレーンを備え、大型の品物も受け入れ可能。大型部品や金型の深穴加工の注文が増えている。
深穴加工を始めたのは約30年前。加工精度の良さが認められ少しずつ取引先が増えていった。多様化する顧客の要望にも柔軟に応じている。特にインコネルやチタン、ステンレス鋼、銅などに難削材に対して「近道を考えず、蓄積してきたノウハウを駆使し、たとえ回り道でも求められる加工を達成し喜んでいただくのが役目」と本間社長は胸を張る。
先端R加工やPTAタップ加工など、ガンドリルに付随する2次加工にも対応する。最近、特にR加工の引き合いが増加。小径の深穴加工をした先端部をR形状にすることで、鋭角の状態よりも強度を高められる。;いち早く先端R加工に取り組み、技術を磨き続けている。倉敷機械の中ぐり盤を導入して、斜め方向への穴加工も可能にした難削材加工や2次加工は手間がかかる上に難しいため、同業者が断ることも多いという。「ニーズに応え、お客様に喜んでいただくことが私たちの最大の喜び」をモットーとする本間鉄工所は困難な加工にも積極的に取り組む。
深穴加工で培ったガンドリルの刃先補修技術を生かした再研磨事業も展開。再研磨可能なガンドリルは直径1.4ミリメートル―45ミリメートルで長さは問わない。保有する3台の刃先研削盤を駆使して、1本、2本といった小口の仕事も進んで引き受ける。顧客の加工条件などを踏まえ、切れ味鋭い刃先に蘇らせる技術力にたいする評価は高い。
同社は本間忍社長が1968年に設立。引き継いだ本間幹哉社長はミロク機械で3年間の修行を積んだ。秋にはミロク機械のMEG1000S(NC)1台を導入予定で、ガンドリルは10台体制になる。
本間社長は「同業他社にはできない機械の微調整や消耗品も在庫するなど、お客様の要望に即応できる体制を整えている」と自信をみせる。人員増強も検討。車だけに頼らず、他分野の業務にも意欲を示す。 |